Pour Over — 湯を注ぐ速さで、味を組み立てる
2026-10-21
Pour Overは、ドリッパーに紙のフィルターを敷いて粉を入れ、上から湯を注いで落とす方法です。紙がコーヒーの油分と細かな粉を受け止めるため、すっきりと輪郭のはっきりしたカップになります。産地や精製の違いを感じ取りやすく、Washedのロットの個性を確かめるのにも向いています。
紙のフィルターから始まった
紙のフィルターで淹れる方法の起点は、一九〇八年にドイツのMelitta Bentzが考案したフィルターだとされています。布や金属でこしていた時代に、紙で粉をこすという発想が、すっきりとしたコーヒーの楽しみ方を広めました。
ドリッパーの形
ドリッパーは、形と穴の数で湯の抜け方が変わります。代表的なものに、大きな一つ穴の円錐形(V60など)や、底が平らで三つの穴を持つ形(Kalita Waveなど)があります。
Drippers
ドリッパーの形が、湯の抜け方を決める
円錐形
大きな一つ穴
湯の抜けが速く、注ぐ速さで味を変えやすい
台形
小さな穴
穴が湯の抜けを抑え、ゆっくり一定に落ちる
平底
三つ穴
粉の層が平らになり、抽出がそろいやすい
淹れ方の一例
粉15gに湯250g、湯温は92〜94℃。粉と湯の比率はおよそ1:16.7です。全体で三分前後を目安にします。
Recipe
Pour Overの流れ(一例)
粉を平らにならす
中細挽き15g
蒸らす
0:00〜0:40
粉の2倍ほどの湯で全体を湿らせる
注ぐ
0:40〜1:10
150gまで、中心から小さな円で
注ぐ
1:10〜1:50
250gまで
落としきる
〜3:00前後
粉の層が平らに残れば良い
Pouring
注いだ湯の量は、こう積み上がる(一例)
蒸らしの意味
最初に少量の湯を注いで待つのは、焙煎した豆に含まれる二酸化炭素を逃がすためです。焙煎から日の浅い豆ほど、湯を注ぐと粉がふくらみ、泡が立ちます。ガスが抜けきらないうちに湯を注ぐと、湯が粉に均一に行き渡らず、引き出しにむらが出ます。
調整のしかた
酸っぱく物足りないときは、挽き目を細かくするか、湯温を上げる。苦く渋いときは、挽き目を粗くするか、湯温を下げる。落ちきるまでの時間が長すぎるときは、挽き目が細かすぎるか、注ぐ量が多すぎることが多いようです。


