Journal
コーヒーの種と品種、精製方法、産地の歴史。一杯の背景にあることを、できるだけ具体的に書き残していきます。

抽出方法を比べる — 仕組み・時間と温度・挽き目・フィルター
Pour Over、French Press、Espresso、Phin。七つの抽出方法を、仕組み、時間と温度、挽き目、フィルターの四つの面から並べます。

抽出の基本 — 濃さと、引き出し具合
一杯を左右するのは、粉と湯の比率、挽き目、時間、温度の四つ。何を変えると味の何が動くのかを、図と計算で整理します。

Pour Over — 湯を注ぐ速さで、味を組み立てる
紙のフィルターの上から、湯を少しずつ注いで落とす。手で注ぐからこそ、時間と湯の流れを自分で組み立てられる方法です。

French Press — 浸けて、押して、そのまま注ぐ
粉を湯に浸けて待ち、金属の網でこす。注ぎ方の技術がいらず、豆の油分まで味わえる方法です。

Espresso — 圧力をかけて、短く濃く
約9気圧の圧力で、25〜30秒。短い時間で濃い一杯を引き出す方法は、精密さと引き換えに大きな表現の幅を持っています。

AeroPress — 浸けて、手で押し出す
2005年に生まれた、筒とピストンだけの器具。浸けることと押すことを組み合わせ、短い時間ですっきりとした一杯を淹れられます。

Cold Brew — 熱を使わず、時間で引き出す
粉を水に浸けて、半日から一日。熱を使わない分、苦味や酸の出方が穏やかで、まろやかな一杯になります。

Moka Pot — 火にかけて、蒸気の力で押し上げる
1933年にイタリアで生まれた、直火で淹れる器具。下のポットの湯を蒸気の圧力で押し上げ、濃いコーヒーを淹れます。

品種の系譜を読む — TypicaからStarmayaまで、一枚の図で
数百あるArabicaの品種の多くは、ごく少数の祖先から枝分かれしたものです。Journalで取り上げた品種を、一枚の系譜にまとめます。

精製方法を比べる — 工程と風味の傾向を、図で読む
Washed、Natural、HoneyからAnaerobic、Carbonic Macerationまで。工程の違いと風味の傾向を、図で並べて整理します。

Pulped Natural — ブラジルが磨いた、粘液質を残す乾燥
果肉は外し、粘液質は残したまま乾かす。Honeyと工程はよく似ていますが、生まれた土地と狙いに違いがあります。

Carbonic Maceration — 二酸化炭素で満たしたタンクの中で
ワイン醸造の技法を持ち込み、タンクを二酸化炭素で満たしてから発酵させる。Anaerobicと混同されやすい手法を整理します。

Double Fermentation — 発酵を二度に分けるという設計
ケニアに伝わる二段階の発酵から、近年の多段階発酵まで。同じ名前の下に、まったく違う工程が並んでいます。

発酵と特殊精製 — 名前の先にある、七つの手法
基本の精製に重ねて使われる、発酵の設計と特殊な工程。名前の先で実際に何が行われているのかを、一つずつ整理します。

Starmaya — 種子で増やせる、初めてのF1ハイブリッド
挿し木でしか増やせなかったF1ハイブリッドが、種子から育てられるようになりました。ベトナムの高原でも、この新しい品種への挑戦が始まっています。

Wet-Hulled(Giling Basah)— インドネシアだけが持つ、湿った脱穀
乾ききる前に内果皮を剥がす。高湿度の環境が生んだ独特の工程が、あの土っぽさの正体です。

Mosto Natural — 果汁を還元するという発想
ワイン醸造に由来する「mosto」という言葉が、コーヒーの精製に持ち込まれています。まだ標準化されていない領域です。

Anaerobic — 酸素を断ち、発酵を設計する
密閉タンクの中で何が起きているのか。ワイン醸造の発想がコーヒーに持ち込まれた、比較的新しい領域です。

Honey Process — 粘液質をどこまで残すか、という調整弁
White、Yellow、Red、Black。残す粘液質の量と乾燥の速度で、味を段階的に設計できる方法です。

Natural — 実をまるごと乾かす、最も古い方法
水を使わず、太陽と時間に委ねる。うまくいけば濃密な果実感、失敗すれば単なる発酵臭になります。

Washed — 豆の素性が、そのまま出る
水で洗い、粘液質を落としてから乾かす。もっとも透明度の高い、産地の個性が試される方法です。

精製方法の全体像 — 果実から種子を取り出す、味を決める工程
同じ農園の同じ木から採れた実でも、精製が違えば別の飲みものになります。その分岐点を整理します。

Pacamara — 巨大な豆と、安定しない個性
エルサルバドルで人工交配された、二つの変異の掛け合わせ。品評会で存在感を放ち続けています。

SL28とSL34 — ケニアが生んだ、黒すぐりの酸
一九三〇年代の選抜番号がそのまま品種名になりました。ケニアコーヒー特有の強い酸の正体です。

Catuai — 実が落ちない、風雨に強い実務家
ブラジルの研究機関が二十年以上をかけて育成。派手さはありませんが、生産の現場を支え続けています。

Caturra — ブラジルの畑で見つかった、背の低い革命
偶然の突然変異が、コーヒー畑の密度を一変させました。中南米で最も広く植えられた品種の一つです。

Geisha — 忘れられた種子が、価格の常識を変えるまで
エチオピアの一地域で採取され、防風林として植えられていた木。二〇〇四年、その正体が世界に知られました。

Bourbon — 島の名を持つ、甘さの系統
インド洋の小島に運ばれた苗が、中南米の甘いコーヒーの源流になりました。Typicaと並ぶもう一つの祖先です。

Typica — すべての始まりにいる、収量の低い名門
イエメンからジャワ、アムステルダム、そしてカリブ海へ。世界の栽培Arabicaの多くがこの一本に遡ります。

LibericaとExcelsa — 世界の一パーセント未満、第三の選択肢
巨大な樹と巨大な実。フィリピンやベトナムで細々と守られてきたこの種が、いま気候変動を背景に見直されています。

Canephora(Robusta)— 強さの名を持つ、再評価の途上にある種
コンゴ盆地に生まれ、さび病後の世界を救った種。ベトナムを世界第二の生産国に押し上げた立役者でもあります。

Arabica — 世界の六割を占める、繊細な主役
エチオピアの高地に生まれ、イエメンを経て世界へ。香り高さと引き換えに、あらゆる弱さを抱えた種。

コーヒーの分類 — 種・品種・産地の三段階で考える
ArabicaとRobusta、GeishaとTypica。混同されがちなこれらの言葉は、実は異なる階層に属しています。

Phinで淹れる、ベトナムコーヒーの基本
金属製の小さなフィルターひとつで完結する、ベトナム式ドリップの淹れ方。