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精製

Double Fermentation — 発酵を二度に分けるという設計

2026-10-20

Double Fermentation(二段階発酵)、あるいはDouble Washed。発酵を複数の段階に分けたり、発酵のあとに一度洗ってから再び処理したりする方法の総称です。

先に押さえておきたいのは、この名前が「発酵が二回ある」ことしか示していないという点です。それぞれの発酵が水の中なのか空気中なのか、密閉されているのか。何時間かけたのか。名前だけでは、実際の工程を特定できません。

ケニアに伝わる二段階

この名前の源流とされるのが、ケニアの水洗工場で受け継がれてきた方法です。果肉を外した豆を、まず水を張らずに発酵させ、粘液質がゆるんだところで洗う。そこから再び発酵を進め、洗浄の水路を通しながら比重で選別します。仕上げにきれいな水へ豆を浸けておく工程(soaking)を加え、地面から浮かせた乾燥台で乾かします。

各段階にかける時間は、それぞれ半日から一日程度が目安とされますが、気温や標高、工場の慣習によって変わります。ケニアのほか、ブルンジやルワンダの水洗工場でも、二段階の発酵と浸水を組み合わせる例が知られています。

Kenyan process

ケニアに伝わる二段階の発酵

  1. 果肉を外す

  2. 水を張らずに発酵

    半日〜1日

  3. 洗う

    ゆるんだ粘液質を落とす

  4. もう一度発酵

    半日〜1日

  5. 水路で洗う

    比重で選別も兼ねる

  6. 清水に浸ける

    soaking

  7. 乾燥台で乾かす

各段階の時間は目安で、気温や標高、工場の慣習によって変わります。

なぜ二度に分けるのか

一度目の発酵で粘液質を十分にゆるめ、洗ってから二度目の発酵と浸水を行うことで、豆の表面に残る成分をより徹底して取り除けると考えられています。手間はかかりますが、クリーンで輪郭のはっきりしたカップにつながる要因の一つとされています。

ケニアのコーヒーの鮮烈な酸は、この工程と結びつけて語られることが多くあります。ただしSL28とSL34という品種や高い標高の影響も大きく、工程だけで説明できるものではありません。

近年のDouble Fermentation

スペシャルティの世界では、同じ名前がまったく別の工程にも使われています。たとえば、チェリーのまま密閉タンクで発酵させ、果肉を外してから二度目の発酵を行う。あるいは二度目の発酵で酵母を加える。発酵を段階に分けて、それぞれで異なる香りを狙う設計です。

こうした多段階の発酵は、Anaerobicや発酵と特殊精製で取り上げた手法と組み合わされることが多く、ケニア式とは狙いも結果も異なります。

風味の傾向

伝統的なケニア式では、比較的クリーンで、酸が際立つカップになることが多いとされます。近年の多段階発酵では、設計しだいで果実感や発酵由来の香りが前に出ることもあり、一概には言えません。

確認したいこと

このラベルの豆を評価するときは、発酵が何段階あるのか、それぞれ水の中か空気中か、密閉したかどうか、何時間・何度で行ったのかを確認する必要があります。「二回発酵させた」という事実よりも、その二回で何をしたのかが、カップの中身を決めています。

各精製方法との違いは、精製方法を比べるで図にまとめています。

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